業務用アルミフレーム SUS GF-S で作るネットワークラック

日曜大工
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ネットワーク機器周りを整理するために軽量なラックを作ったので紹介します.

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材料

使用したのは SUS 株式会社のアルミパイプ構造体,グリーンフレーム GF-S です.

グリーンフレームはまだ一般的にあまりなじみがないように思いますが,工場や倉庫などではその圧倒的な実用性が指示されて,広く使われています.

今回,ラックを作るにあたって魅力を感じたポイントは次の3点です.

1. 簡単に組み立てられ,自由度も高い
5mm の六角レンチで締めるだけで,任意の位置でフレームを直角に固定できます.これを実現しているのが,下図のような特徴的な固定機構です.フレームに平行に設けられている溝にたかる形で固定するので,メタルラックのような固定位置の制約がありませんし,直角も綺麗にでます.

2. 圧倒的に軽量なのに強度も十分
一般のメタルラックはフレームに鉄などを使っているので,それなりの重量がありますが,アルミだと比較にならないほど軽いです.軽いので,組み立ても移動も簡単です.

重量が軽い分,耐荷重が気になりますが,GF-N で 1m の立方体形状を作った場合,下記のように 20kg 程度のものを置いても余裕で OK です.ちなみに,今回使用した GF-S の場合はフレームが細い分だけ耐荷重は小さく,同じ形状だと計算上 18kg がぎりぎり OK となります.

ちなみに,たわみ計算は次のようにして行えます.断面2次モーメントとたわみ許容量はカタログに載っているので,代入するだけで簡単に求められます.

3. フレームのオーダーが簡単
使用したい任意の長さにカットしてフレームを注文できます.メタルラックだと基本的にはいくつかの選択肢から選ぶ形ですが,グリーンフレームは元々産業用途向けにカスタムメードすることを想定して用意されたアイテムなのでフレームサイズのオーダーが簡単に行えます.

オーダー方法は後ほど紹介します.

設計

グリーンフレームを使う場合にちょっとだけハードルが高いのがこのステップです.作りたい形状に合わせて必要な部品をリストアップする必要があります.

設計を行う方法としては,大きく次の 2 つの方法があります.

  • G-Fun のテクニカルサポートで設計してもらう
  • メーカの 3D 作図ソフト Unit Design を使って自分で設計する

順に紹介します.

G-Fun のテクニカルサポート

手書きのイメージ図を基に図面と部品リストを作成してもらう方法です.お手軽なのがメリットです.

グリーンフレームのメーカが一般消費者向けに開設している G-Fun というサイトから利用できます.下記のような絵を描くだけなので簡単ですし,今のところ無償で利用できます.

私も利用したことがありますが,出てきた図面のクオリティ驚きました.

そのときの図面の一部を抜粋するとこんな感じ.ここまでやってくれるなんて驚きです.

デメリットは特にありませんが,強いて言えば図面化されるまで時間がかかることでしょうか.私がやった際は3週間程度かかりました.そのため,一発で期待通りの図面を作成してもらえるように,やりたいことを絵または文章で確実に伝える必要があります.

また,細かい注意点として,図面に記載されている部品リストの型式が G-Fun のものになっていることがあげられます.G-Fun よりも部品単価が安い WEB SUS で注文する際には部品番号の変換が必要です.

Unit Design を使って自分で設計

グリーンフレームのメーカが作っている専用の CAD ソフトである Unit Desing を使う方法です.手間はかかりますが,色々と試行錯誤できるのがメリットです.

今回は作りたい形状がシンプルだったのでこちらの方法を使いました.

操作方法はやや取っつきにくいですが,凝ったことをしなければチュートリアルを読めば,基本的な操作はできるようになると思います.

設計手順としては,ユニットライブラリを利用して直方体を作ってから,部品を追加していくのがお勧めです.ユニットライブラリに対しては,フレームの種類や外形サイズを指定できます.直方体でよければ,ここに入力するだけで必要な部品のリストアップができると思います.

今回は下記のような感じで作りました.

最終形まで形状を作り込もむには操作が大変だったので,必要な部材のサイズと数量が見積もれそうになった段階で完成としました.

[ファイル]-[図番を指定してファイル出力] を実行すると,必要な部材のリストを Excel ファイルに書き出せますので,これを利用して注文を行います.

注文

注文は,WEB SUS を使って行います.フレームの長さがオーダーできる上に,Amazon や MonoraRO と比較してもコスパが良いのでお勧めです.

B2B 向けに作られているので,使い勝手は普通の通販サイトと雰囲気が異なりますが,説明に従っていけば個人でも普通に対応してもらえます.

最初の注文の際はメールを使って支払い方法のやりとりをする必要がありますので,スケジュールに余裕を持って利用すると良いと思います.なお,3,000円以上の注文で送料無料となります.支払いは銀行振り込みとなります.

今回の場合は注文内容はこんな感じ.Unit Design で算出したサイズをもとに,数量を増やしています.

コネクタを増やした関係で,ちょっとお高くなってしまいました.フレームが 2,000 円ほどで,あとは全てコネクタです.

組み立て

注文して振り込みを行うと,早ければ翌日には発送してもらえます.運送業者は西濃運輸さんでした.時間指定はできません.

六角レンチを使って組み立てれば,この通り.所要時間は30分ほど.

一番難しかったのは床に置いたときのガタツキをなくなるように柱の高さを調整するところでした.アジャスタ付きのフット部品を使えばそのあたりも楽になりそうです.

設置

設置予定だった天井付近の棚に収めるとこんな感じになりました.ぴったりサイズです.重量が軽いので地震に対しても安心です.

一般にはまだあまり普及していないと思いますが,グリーンフレーム良いですよ.

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