Rabbit Note

技術的な事柄をメモしていきます.

実は SSD は電源瞬断にかなり弱いかもしれない

年に何度か経験してしまう,意図しないパソコンの電源瞬断.今回は,そんな電源遮断と SSD の関係を調べた論文をご紹介.

Understanding the Robustness of SSDs under Power Fault [キャッシュ]
http://www.cse.ohio-state.edu/~zhengm/papers/2013_FAST_PowerFaultSSD.pdf

直感的には,可動部が無い分,SSD は HDD に比べて電源遮断に強い気がします.しかし,この論文では全く逆の結果が得られています.

SSD故障

その要因は,Flash Translation Layer(FTL) と呼ばれるファームウェア.FTL は 論理アドレスと物理アドレスのマッピングを適切に管理することで,Flash メモリと HDD のデバイス特性の差を隠匿するとともに高速化を実現実現します.

その一方,このマッピングは不揮発性のメモリに確実に記録する必要があり,ここがアキレス腱となります.


この論文では,そんな FTL が突然の電源遮断時の SSD の挙動にどう影響を与えるのか検証しています.

検証対象

対象は,5 社から出ている 15 種類の SSD.下図のような装置を使い,書き込み負荷を与えた状態で SSD の電源のみを切断し,実際に書き込まれた内容がどうなっているか調べています.

試験装置

結果

気になる結果はこちら.(論文の Table 3,5 と Figure 8 をまとめてあります)

結果

注目なのは,オレンジ色で示した SSD#1 と SSD#3.これらでは,ほとんどの人が想定していなような重大なエラーが発生しています(赤色背景)

SSD#1 は,デバイスが OS から見えなくなり,動作しなくなっています.SSD#3 は,FTL のメタデータ破損により,デバイスの 1/3 がアクセス不能になっています.しかも,これらの症状が現れるまでに実施した瞬断の回数は SSD#1 が 136 回,SSD#3 はわずか 8 回です.

これら以外にも気になる挙動をしてしているものがあります.黄色背景で示した SSD#4 と SSD#13 は,書き込み順序の逆転が平均で 4 桁に迫る回数発生しています.書き込みを実施する Worker プログラムでは,書き込みバッファを回避した上で同期書き込みを行っています.デバイスが本当に同期書き込みを実施しているなら,これだけ多くの逆転は発生しようががありません.通常時の高速動作を謳う一部のモデルは,その引き替えに信頼性失っているようです.

最後に,結果全体を眺めるとおもしろいことがわかります.少なくとも,この論文の対象となった SSD を見る限り,エラーが発生しなかった SSD (背景緑色) と GB 単価やベンダーとの間に相関が見られません.その一方,電源遮断対策がしてあるものは,傾向としてエラーが少ないことが読み取れます.

まとめ

SSD は HDD と比較して歴史がまだ浅いこともあり,電源瞬断時のようなイレギュラーな場面では,ファームウェアがデバイスのアキレス腱をカバー仕切れず重大なエラーにつながってしまう確率は少なくないようです.

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One thought on “実は SSD は電源瞬断にかなり弱いかもしれない
  • […] https://rabbit-note.com/2013/03/31/110/ 690 Socket774 14/04/13 00:13 iIzZOhui.net >>689 それ元の論文きちんと読んだほうがいい。 SSDの方は15種もテストしてるのに、HDDの方は2.5インチの5400rpmとSAS 15000rpmの2種だけしかテストしてないから HDD側のサンプルが著しく偏ってる上に少なすぎる。 692 Socket774 14/04/13 04:52 UiWd/Bnt.net >>690 ブロックサイズの問題で、書き込み中のブロックのファイルが道連れになるだけ まったく関係ないファイルが壊れるので、場合によっては非常にこまることにw […]

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