蛇口をひねるだけで苔に水やりをすべく,庭に水道管を引いたので,やり方を紹介します.
全体計画
立水栓の蛇口をひねるだけで苔に水やりするのが目標です.水道管を敷設する経路を図示すると次のようになります.
立水栓から分岐させ,庭を横切って2カ所ある苔ゾーンに蛇口を付けます.配管は基本的に地中やコンクリートブロックの上を通しますが,「ステンレス管」となっている部分はそれができないので空中を飛ばします.
それぞれの蛇口の先にはタカギのスプリンクラーを付けます.
必要な部品
必要な部品を示します.大半は MonotaRO で調達できます.MonotaRO だと,一度に 7,000円以上の買い物をすると,その月は送料無料になります.最初にまとめ買いしておけば作業が進むにつれて足りない部品が出てきたときにも気軽に買い足せるのでオススメです.
金額としては合計4万ちょっとになりましたが,ステンレス管による空中配管をしなければ半額近くまで減らせると思います.
(ちなみに,実際には部品選定の失敗等も含め5万程度かかってしまっています...)
必要な工具
使う道具は次の 4 つです.
塩ビのパイプをカットするのに使います.徐々に締め付けながら回転させて使います.ノコギリと違って,誰でも真っ直ぐ綺麗にカットできます.
パイプカッターでカットすると切断面が少し盛り上がるので,そこを削るのに使用します.紙やすりでも良いですが,本数多いとそこそこ疲れるので,こういった専用工具に頼るのがオススメです.
塩ビパイプの接着剤です.塩ビ管用ならなんでも良いと思います.
水漏れするのを防ぐためのシール材です.パイプをネジで締結する箇所に巻いて使います.
次はおまけ.
ネジ締結箇所を締めたり弛めたりするのに便利なレンチです.普通の六角レンチとは違い,握ることでガタツキなく回せるので,傷を付けず力をしっかり伝えることができます.手元に置いておくと,家の中の水回りのトラブル解決にも活躍してくれます.
工事
以降では,工事内容をスポット毎に紹介していきます.
立水栓周辺
立水栓周りは配管しにくいので,紫外線に強く柔軟に曲げられる管を使います.
蛇口の下から左下に斜めに伸びているのがそれになります.
塩ビ管は地中を通します.あまり深くする必要はないですが,凍結して管が破裂するのは避けたいので,10cm 以上は掘るようにしています.
花壇周辺
花壇は周囲にコンクリートブロックが積まれているので,その上に配管を通すため,エルボで垂直に立ち上げています.花壇の先で T 字に分岐し蛇口を取り付けます.
ステンレス管(SUS304)には凍結防止用の保温チューブを巻いておきます.他の箇所も同様です.
蛇口周りはこんな感じ.
空中配管
空中配管するところの材質は強度に優れたステンレス(呼び径3/4)で統一します.
右上に写っているのがステンレス管になります.
ステンレス管を飛ばした先はエルボで曲げて,コンクリートに立バンドで固定します.コンクリートへの固定方法は,『コンクリートにネジ止めする方法』にて紹介しています.
末端の蛇口までの経路
先ほどの蛇口からもう片方の蛇口までさらに延ばしていきます.工事の手順としては,末端の蛇口の管を先に取り付け,双方から伸びてきた塩ビ管を継ぎ手で最後につなぐ形をとっています.
工事の様子はこんな感じ.コンクリートを避け,防草シートの下に塩ビ管を埋めていきます.
先に末端の蛇口までを施工しておき,最後に塩ビの継ぎ手で接続します.(下の写真で少し太くなっている部分が継ぎ手です)
塩ビのソケットだと長さの調整がほとんどできませんが,継ぎ手だと10mm 位は何とでもなるので素人にはありがたい存在です,
末端の蛇口
エルボで立ち上げて蛇口を取り付けます.
仕上がりはこんな感じ.
まとめ
以上,ざっと説明してきましたが,作業全体としてはざっくり2ヶ月かかっています.この手のことをやるのが初めてだったので一度に部品をそろえれず,作業を進めながら必要になった部品を発注し,翌週にまた作業をするという感じなったことが響きました.
一方,作業内容自体は比較的簡単で,唯一の加工である塩ビ管のカットもパイプカッターだとほぼ失敗することがないので,順調に進めることができました.
期間はかかりましたが,思ったよりも簡単だった,というのが率直な感想です.水やりで困っている方には凄くオススメです.
今後は電磁弁を取り付けて自動水やりに挑戦予定です.
追記
上記では,一部で HI管を使用していますが,調べて見たところ,これは良くありませんでした.基本的に HI 管か VP 管のどちらかで統一するのがセオリーのようです.
積水化学工業株式会社さんが公開している下記の資料に接着のメカニズムや注意点がよくまとまっていますので,施工する前に目を通しておくのがオススメです.
硬質ポリ塩化ビニル管・継手の接着接合について [キャッシュ]
http://www.touwakizai.co.jp/files/libs/264/201711161400191281.pdf
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